駅弁大会と言えば、各地ですでに販売されている駅弁が一堂に会する人気イベントだ。東京・新宿にある京王百貨店の「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」も例外ではない。
そんな通例を覆し、7日から始まった今年の大会では、百貨店側が自ら提案、地元の協力を得て作り上げた異色の弁当が販売されている。
きっかけは偶然だった
京王百貨店の売り場マネジャー、横山和正さん(36)は、駅弁大会の準備で各地を車で回る。
昨年6月のことだった。峠を越えたところでトイレ休憩も兼ね、車をとめた。
福井県を東西に走るJR越美北線の終点、九頭竜湖駅(大野市)。駅の隣にある道の駅で、マイタケの炊き込みごはんの弁当を買った。車の中でほおばると、「九頭竜まいたけ」の豊かな香りが広がった。
駅構内に入ると、1両編成の列車がとまっていた。
同行した取引先から、1両の列車は越美北線だと教えられた。本数の少なさや減便の話を聞いているうちに、あるアイデアが頭の中をよぎった。
「駅弁大会でマイタケ弁当を売れば、多くの人に越美北線の現状を知ってもらえるのではないか」
越美北線を応援する特別企画「がんばれ!ローカル線」が動き出したきっかけだった。
地元のこだわりが詰まった駅弁や思いを紹介します。
過去にもローカル線企画はあ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル