「那須どうぶつ王国」(栃木県那須町)で昨年、生まれたばかりだった国の特別天然記念物・ライチョウのメスの赤ちゃん「黄雛(きひな)」が、けがで左脚の足首から先を失った。
生命の危険も心配されたが、懸命に生きる姿をみて、飼育チームは「頑張りに報いたい」とあることを思いついた。
直径1センチほどの細い脚にはめる、特注の「義足」をつくることだ。
黄雛は2022年7月上旬に生まれた。母鳥は、中央アルプスから同園に移された野生のライチョウだ。
同園は、環境省が主導する、ライチョウが絶滅したとされる中央アルプスでの「復活作戦」に参加。野生の個体を預かり、繁殖させて山に戻している。黄雛もいずれ、家族とともに山に行くはずだった。
だが、同月30日の夜に事故は起きた。
黄雛が、母鳥ときょうだいらと飼育スペースの一角にたたずんでいた時、何かのはずみで全羽が一斉に飛び立った。地上に着地しようとした際、母鳥が黄雛の体の上に舞い降りた。
下敷きになった黄雛は、左脚の足首部分を骨折し、しばらくして足先部分が取れてしまった。
その後、黄雛は体のバランスが保てず、起き上がろうとしても脚が空回りするようになった。じっとしていることが多くなり、エサを食べるのもままならない。
獣医師の原藤芽衣さん(33)と飼育員ら計6人のチームは、黄雛がこのまま死んでしまうのではないかと心配した。
少しでも歩けるようになれば…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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