南海トラフ巨大地震や首都直下地震では、高層の建物ほど揺れが大きくなる「長周期地震動」の発生が想定されている。どんな被害をもたらすのか。備えは十分だろうか。
千葉県を震源とする強い地震が昨年10月7日夜、首都圏を襲った。東京23区で震度5強を観測したのは東日本大震災以来だった。
高層階と低層階で揺れ大違い
足立区に接する埼玉県草加市にある鉄筋コンクリート15階建てマンション(築24年)の最上階。会社役員浅葉健介さん(50)は食事中に揺れに見舞われた。テーブルにつかまったが、手を離せば横に飛ばされそうだった。揺れは1分以上に感じた。重さ数十キロの給水器が床に落ちてばらばらになり、台所では棚の調味料などが床に散らばった。
「(2011年の)東日本大震災に匹敵する揺れだった。首都直下地震かも」。近くの別のマンション5階に住む母とは1時間後に連絡がついた。母は寝ていて地震にすら気づかず、室内の被害もなかった。近くの戸建てやマンションの低層階に住む同僚らも、自宅の被害は軽微だった。「同じ市内なのに、どうしてこんなに揺れの感じ方が違うのか」。浅葉さんは不思議がる。
この地震では、東京23区や千葉県北西部などで長周期地震動が観測された。気象庁は大きさを4段階で評価しており、草加市をふくむ埼玉県南部では最も低い「階級1」だった。
長周期地震動とは、1往復する時間(周期)が長い横揺れを指す。高層ビルは揺れやすく、高層階の方がより大きく、長く揺れる傾向があるとされる。
大規模火災、10分もの揺れも
過去には被害も出ている。0…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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