月経による体調不良で高校入試を欠席した場合、追試験の対象にできる――。文部科学省がそんな通知を年内に都道府県教育委員会などに出す。16日、参院文教科学委員会で明らかにした。これまでの通知では明示されておらず、教委によって対応が分かれていた。各教委は今後、対応を検討する。
文科省が6月に新型コロナウイルスの5類移行を受けて、都道府県教委などに出した、主に高校入試での配慮に関する通知では、追試の対象の例として新型コロナウイルスなどの感染症や自然災害、痴漢被害などが挙げられていたが、月経についての記述はなかった。同じ通知の中では、調査書の出席日数について、月経での体調不良を例示し、欠席があるからというだけで入試で不利に扱わないよう求めていた。
国民民主党の伊藤孝恵議員が「(入試での月経への配慮について)自治体の対応もばらついている」と指摘。追試の対象に、月経痛や、情緒不安定や眠気などの症状が表れる月経前症候群(PMS)など、月経での体調不良も入るのか、国の見解を問うた。
盛山正仁文科相は「本人に帰責されない身体健康上の理由により、やむを得ず、用意された試験日程で受験できない生徒の受験機会を確保することが重要だ」と答弁。矢野和彦初等中等教育局長は「各都道府県の(入試の)実施権者に(月経での体調不良の場合も追試の対象にすることが)可能であると、年内に文書で周知したい」と答えた。
女性向け健康管理サイト「ルナルナ」の2021年の調べでは、回答した10代以上の女性1197人の85・1%が、高校などの受験日と月経日が重なることに「不安があった」と回答した。さらに、不安の具体例を複数回答で聞いたところ、「月経痛や体調不良への不安」が88・8%、「トイレやその頻度」が63・7%、「試験中に経血が漏れないか」が63・3%だった。(山本知佳)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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