聞き手・池田伸壹
日本の大学受験で浪人する人の割合は減り続けている。外資系投資銀行や国連児童基金などを経て、長野県軽井沢町に全寮制国際高校「ユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)ISAKジャパン」を創設し、世界中から集まる若者の教育に携わる小林りんさんは、かって「仮面浪人」と「自宅浪人」を経験した。「どうして大学に行くのか分からない」と悩む若者と向き合っている小林さんに、これからの「浪人」について聞いた。
日本で行きたかった大学に合格できなかった人がするとされてきた「浪人」は、どんどん減っていくでしょう。ただ、教育のあり方は多様化し、大学に行く前に「ギャップイヤー」を経験する人は増えていくと思います。ギャップイヤーとは、大学入学を一定期間遅らせて学業を離れ、様々な体験を積むことです。
数学24点で、カナダの高校に
私自身、紆余(うよ)曲折を経ました。高校1年の1学期に数学が100点満点の24点。その後、奨学金でカナダの高校に行き、帰国子女枠で日本の私立大学に入学しましたが、将来、開発援助に関わるには国立大学に行った方がいいと思い込み、「仮面浪人」かつ「自宅浪人」をしました。
私立大学に通いながらの受験…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル