新型コロナウイルス対応の政府の緊急事態宣言が東海3県にも27日から9月12日まで出ることになった。この日も感染者は愛知、岐阜両県で過去最多となり、三重県も過去2番目の多さだった。特に中高生ら若年層の増加が目立つため、3県とも対策を急ぐ。
愛知県では2日連続で過去最多を更新する1815人の感染を確認。初めて1千人を突破した前週水曜の1・5倍となる急拡大で、大村秀章知事は「想定を超えている。衝撃的な数字」と危機感をあらわにした。
緊急事態宣言での様々な自粛要請は、いま39市町が対象のまん延防止等重点措置と「ほぼ同じ」(大村氏)で、宣言の効果を疑問視する声も多い。
このため、県は今回の宣言下では学校での感染防止に力点を置く。感染力が高いデルタ株が主流になり、子どもたちの感染が増えているためだ。7月21日からの「第5波」では10代は2426人(13・0%)、10歳未満は1068人(5・7%)が感染。前回約4カ月に及んだ「第4波」で確認された10代2510人、10歳未満1159人の同水準にすでに達する勢いだ。
県は中高生のワクチン接種を優先的に進める考え。政府方針で学校での集団接種ができないため、接種を希望する高校生を対象に県がバスなどを用意し、病院や県の大規模接種会場に運ぶ準備を進める。「副反応に対応できる態勢が整っている」(県担当者)ためで、受験を控える3年生からを検討している。中学生は保護者同伴が求められているため、各市町村と対応を協議したいとしている。
また、時差登校や分散登校、オンライン学習などを感染状況に応じてとり入れるよう市町村に求める。26日にも、夏休みの延長を含めて協議したいと各市町村教育委員会に通知する。部活動は平日4日間に限り、修学旅行などの校外行事の中止、延期も求める。
この日431人の感染が確認された三重県では、9月中にも若年層や外国人住民を対象にした接種会場を複数設置する。また、検査キットの無料配布も検討している。過去最多382人の感染を確認した岐阜県では、古田肇知事が記者会見で危機感を示した。「残念ながらワクチン供給が減っている。若者のウェートが高いので、供給量を増やすことを国に繰り返し言っている」と述べた。(岡本智、大滝哲彰、高木文子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル