高橋源一郎氏、女性の「長い話」を聴く旅へ 声残す戦い

 「女性がたくさん入っている会議は時間がかかります」。東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長だった森喜朗氏の発言です。作家の高橋源一郎さんが、女性たちの紡いだ書物の世界へ足を運びました。「長い話」に耳を傾けるために。寄稿を掲載します。

(寄稿)作家・高橋源一郎さん

 元首相の森喜朗という人が「女性蔑視」発言をしたというので、全文を取り寄せて読んでみた。

 その人は、どうやら「女性の発言は長い」といいたいらしかった。違うだろ。話が長いのはあんたの方だぜ。

 なぜ、「自分がエラいと思いこんでいる男たち」の話は長くなるのか。他人の話を聞かないからだ。自分以外の人たちにも話したいなにかがあるとは想像できないからだ。もうずっと長い間、そうだった。

 藤本和子の『ブルースだってただの唄』(ちくま文庫)を読んだ。34年ぶりの文庫化だ。この時代に間に合った。良かった。

 藤本は日本の翻訳の世界に、新…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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