清水大輔
種なしで皮ごと食べられる長野県発の高級ブドウ品種「ナガノパープル」の枝を許可なく他人に販売したとして県警須坂署などは21日、県外の男性2人を種苗法違反容疑(育成者権の侵害)で長野地検に書類送検し、発表した。2人は、「小遣い稼ぎのつもりでやった」と容疑を認めているという。
書類送検されたのは、川崎市の農業の男性(36)と、大阪府枚方市の派遣社員の男性(27)。2人は知的財産権(育成者権)を持つ県の許諾を受けることなく、フリーマーケットのアプリを利用して昨年12月~今年3月にかけて国内に住む計4人にナガノパープルの苗木の元になる穂木(ほぎ)を販売した疑い。
シャインマスカットより2年早く登録
ナガノパープルは県果樹試験場(須坂市)が10年以上かけて開発し、シャインマスカットより2年早い2004年に登録されたが、長年、栽培は県内に限定されていた。出荷されたブドウが人気を集めはじめて高値で販売される一方で、流通量が限られたことなどから、県は18年に県外での栽培を解禁した。
ただ、県農業試験場によると苗木などの販売が許可されているのは、県内の限られた種苗業者のみだという。
署によると、書類送検された川崎市の農家の男性は、正規ルートで入手したナガノパープルの苗を栽培し、収穫後に剪定(せんてい)した枝を販売にかけていた。枚方市の男性は自宅の庭で趣味で育てていた。販売された枝はいずれも押収されており、海外などに転売された形跡は見られないという。(清水大輔)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment