明治時代に日本で初めて鉄道が開業した際、海上に線路を敷くために造られた鉄道構造物「高輪築堤(ちくてい)」(東京都港区)の遺構について、文化審議会文化財分科会は23日、鉄道創業期の遺構が良好に残っており、日本の近代化に関する遺跡として重要と評価し、現地保存を求める建議(意見表明)を文化庁の宮田亮平長官に出した。文化庁によれば、近年、同分科会が遺跡の保存をめぐって建議を出すのは異例という。
高輪築堤は1872(明治5)年、日本初の鉄道が開通した際に現在のJR田町駅付近~JR品川駅付近の長さ約2・7キロにわたって、海の浅瀬に盛り土をして石垣で固めた堤。その堤の上を列車が走っていた。2019年に品川駅改良工事の現場から石積みの一部が見つかり、20年7月にJR東日本が再開発を進める高輪ゲートウェイ駅前の車両基地跡からも発見され、これまでに確認された遺構は計約1・3キロに及ぶ。遺構の保存をめぐり、JR東や自治体、研究者などの関係者間で協議が続いている。
文化審議会文化財分科会は専門家5人で構成され、文部科学相からの諮問を受け、遺跡や建造物、美術工芸品などの指定・登録について審議し答申を出す。
23日に同分科会の島谷弘幸会…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル