香川県議の訪問団が11月、北南米を巡る海外視察計画について、立憲系会派の議員が9月定例県議会の代表質問で「北米観光旅行」と発言したのは「県民に誤解を与える不穏当な発言」として、最大会派・自民党県政会の議員は4日、発言の取り消しを求める動議を本会議で出した。動議は賛成多数で可決され、新田耕造議長(自民党県政会)が発言の取り消しを命じた。
発言していたのは、立憲・市民派ネットの植田真紀県議。9月19日の代表質問では、県議団とともに訪問する池田豊人知事に対し、南米では県人会の周年行事がある一方、北米では式典がないことをふまえ、「今からでも北米観光旅行は取りやめて、南米の交流に専念すべきではないか」と質問していた。
これに対し、県議の訪問団6人のうち4人が所属する自民党県政会から、谷久浩一県議が発言の取り消しを求める動議を出した。高松市の栗林公園と姉妹庭園提携を結んでいる米ロサンゼルスのハンティントン財団庭園から招待を受けているとし、「招待に応じることは国際的儀礼にかなうもので、南米式典の時期にあわせて訪問するのは経費の削減に資する。(植田氏の発言は)事実誤認で当を得ない」と主張した。
植田県議は議場で「行く必要があるのかとの県民の声を背負い、信念を持って発言した」「絶対に取り消すことはできない」などと述べ、自らの取り消しを拒否。その後に採決された。
立憲・市民派ネットの会長で、海外視察に参加する森裕行県議は、動議の採決で起立して賛成しようとしたが座り直した。
取材に対し、「観光旅行ではないとの認識で、会派として本人に取り消しを求めたが応じられなかった。動議には賛成するつもりだったが、具体にどの部分を削除するかの言及が議長になかったため、やめた」と話した。
発言の取り消しを求められた植田県議は、高松市議から今春の県議選で初当選した。市民オンブズ香川の元代表で、県議の政務活動費や海外視察に関する住民訴訟を起こすなど、「市民派」の政治家として活動。現在もオンブズに所属し、高額な旅費の見積もりに批判が集まっていた海外視察についても、費用対効果の観点などから厳しく追及していた。
記事後半では、動議が出された経緯や県議会での議論の様子について詳報します。
動議の対象となった「北米観光旅行」発言も、県議の海外視察を巡る訴訟で、合理性の認められない日程について「単なる観光で違法」と指摘し、旅費返還を知事に命じた2021年の高松地裁判決を踏まえた発言だった。
一方、動議の提案者がいる自…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル