昭和時代に入居が始まった住宅団地のなかには、住民の高齢化が進み、団地の行事や自治会の運営が難しくなるケースが少なくない。そういった活動を若い住民に任せ、再生させようという試みが東京都内の各地で進められている。
団地の一角に、軽快な合いの手が響いた。
はい!
はい!
昨年12月初め、町田市本町田の住宅団地「本町田住宅」の自治会事務所前で餅つきがあった。約60年前に団地ができた直後から続く、団地自治会の恒例行事だ。
杵(きね)を手にしていたのは昭和薬科大学4年の岩沢秀さん(23)と、3年の渡口圭輔さん(21)ら。この日は早朝から、かまどにまきをくべて着火し、もち米を炊く作業に加わった。
2人とも大学生になってから、この団地で一人暮らしを始めた。自治会が主催する行事に積極的に参加。餅つきのほか、夏祭りの手伝いや防災活動、団地内の見回り活動などもしている。
団地は築約60年の賃貸住宅で約800世帯が入居する。住民の半数以上が65歳以上で独居も多い。建物にはエレベーターがないため4階や5階の上階は不人気。空き部屋が目立ち、自治会の運営も難しくなりつつあった。
住宅を管理する都住宅供給公…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル