林知聡
還付金詐欺の被害を未然に防いだとして、大学生の石塚桃子さん(20)に神奈川県警藤沢署から感謝状が贈られた。
7月8日、JR辻堂駅近くのATMコーナーで、女性(85)が携帯電話で話しながら操作していた。不審に思った石塚さんは「電話を切ったほうがいいですよ」と声をかけたが、女性が通話をとめなかったため近くの交番に通報した。署員が女性から事情を聴くと、還付金詐欺であることが判明し、被害を免れた。
署によると、女性には藤沢市役所を名乗る者から「医療費の還付金が約2万3千円ほどある」と電話があり、その後、女性が利用している金融機関名を名乗る者から無人のATMに行くよう指示され、操作を誘導されていたという。
石塚さんは、特殊詐欺の被害が多発していることは知っていたというが、「まさか目の前で起きるとは思わなかった。身近なところで起きているのだと実感した」。声をかけるのをためらったが、ATMコーナーにある注意喚起のポスターに背中を押されたという。
藤沢署管内では7月末までに18件の還付金詐欺が確認された。被害額は約1800万円に上り県内でワースト1位。一方で、金融機関職員の機転などにより被害を抑止したケースが42件あった。(林知聡)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル