神戸市北区の路上で2010年10月、近くの私立神戸弘陵高校2年の堤将太さん(当時16)が刺殺された事件で、当時17歳だった愛知県のパート従業員の男(28)=殺人容疑で逮捕=が事件後ほどなく、当時暮らしていた同区の親族宅を離れていたことが、捜査関係者への取材でわかった。
捜査関係者によると、男は事件前に兵庫県外から移り、神戸市北区の現場近くの一軒家で暮らしていたという。
この家は男の親族が40年ほど前から所有していたという。近隣住民の多くは取材に「親族は一人暮らしだと思っていた」と振り返る。
堤さんは殺害された当日、当時中学生だった女性と自動販売機付近に座って話しており、10メートルほど離れたところに座っていた人物から突然襲われたとみられる。堤さんはその後、約70メートル離れた横断歩道上で倒れているのが見つかった。
現場から逃げて無事だった女性は県警の調べに「知らない男だった」と話していたという。事件後に親族宅を離れた男と堤さんとは、面識がなかった可能性が高いと県警はみている。
一方、堤さんの衣服から検出されたDNA型が、男のものと一致したことも捜査関係者への取材でわかった。DNA型は、堤さんが男に襲われてもみ合った際に付着したとみられる。
男の逮捕容疑は10年10月4日夜、神戸市北区筑紫が丘4丁目の路上で、堤さんの体を刃物のようなもので複数回刺すなどして殺害したというもの。捜査関係者によると、男は容疑を認めているという。
男は現在、愛知県の自宅近くでパートとして働き、勤務先施設の店舗の売り上げをまとめるなどの仕事をしていたという。
男のものとみられるSNSでは数年前から、写真を加工するソフトのノウハウを紹介したり、加工した写真を投稿したりしていた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル