魔術師の素粒子 火山も原発も「レントゲン撮影」

村山斉の時空自在〈33〉

 世界はすべて三つの部品でできている。これが1932年の結論だった。原子の中心にある原子核は陽子と中性子でできていて、その周りを電子がぐるぐる回る。これで何十種類もある原子が説明できて、身の回りのものはその組み合わせだ。すばらしい!

 ところが自然はそれだけでは満足できなかったらしい。4年後の36年、ミューオン(μ(ミュー)粒子)が見つかった。電子の200倍重いが、性質はほとんど同じ「お兄さん」。すぐ電子に壊れてしまう。実は湯川秀樹がこの程度の重さの新粒子を予言していたのでしばらく混乱したが、結局は違うものとわかり、湯川粒子も47年に見つかった。

 肝心の湯川粒子は、「物質粒子」である陽子と中性子を結びつけて原子核を作る「力の粒子」だ。ほかにも、静電気がバチバチしたり、コンパスが北極を指したりする「電磁力」を生み出すのは別の力の粒子、光子の仕業だ。

 しかも、これで終わらない。陽…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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