屋代良樹
熊本県南関町の養鶏場で感染が確認された高病原性鳥インフルエンザへの対応をめぐり、県農林水産部の男性課長(50代)が、同時期に開催された業務外の野球大会に職員が参加できるよう、防疫作業に従事する日程の調整を関係部署に求めていた。職員20人は野球大会に参加した上で、別の日に鶏の殺処分などの防疫措置に従事した。
県によると、課長は鳥インフル感染の疑いが判明した2日午後、地域振興局の課長13人にメールを送信した。養鶏場で飼われている鶏の殺処分などで県職員の動員が想定されるなか、4日に熊本市で開催される九州各県の農業土木部門の職員が参加する親睦目的の野球大会に触れ、「参加予定者については、4日を外せるようであれば外していただけないかのお願いです」と記述した。
大会参加予定の約25人の動員について配慮を求め、熊本県の参加者が確保できない場合は野球大会の中止も検討する、とも記した。
3日未明の感染確認後、県は72時間以内の防疫措置完了に向けて職員を動員。課長を含む計20人は4日の野球大会に参加し、別の日に防疫作業にあたった。
6日に県庁に匿名の告発文が届いた。課長は取材に対し、「鳥インフル対応は当然、最優先。それを踏まえて、各県職員同士の交流も大事にしたかった」と話した。
県は職員延べ1570人で作業にあたり、5日午前まで鶏の埋却や養鶏場の消毒などすべての防疫措置を終えた。男性課長とは別の農林水産政策課の課長は取材に対し、「防疫活動に支障はなかったが、メールを出したことは軽率な行為だった」と話した。(屋代良樹)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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