現場へ! 鶏たちの「福祉」はいま②
日本では1人あたり年間339個もの鶏卵を消費しています(2022年、国際鶏卵委員会調べ)。メキシコに次いで世界で2番目の卵消費大国です。それなのに、私たちは鶏のことをどれだけわかっているでしょう。そもそも鶏とはどんな動物なのか――。もっとよく知るために、東海大学阿蘇くまもと臨空キャンパス(熊本県益城町)へ向かいました。
今年4月に完成したばかりの実習農場で、鶏の生態に詳しい伊藤秀一・農学部教授(51)が出迎えてくれた。鶏の祖先種は東南アジアに生息する赤色野鶏(せきしょくやけい)だ。その習性について、伊藤さんはこう説明する。
「人間の生活とジャングルの中間くらいの場所で暮らし、オス1羽とメス4、5羽でハーレム(群れ)を形成する動物です。日中は地上で過ごし、脚とクチバシで地面をほじくり返す動作を続け、種子や虫などのエサを探す。羽についた汚れや寄生虫を落とすため、砂浴びを好む。夜は木の上で眠る。そして春先を中心に、メスは年間10個程度の卵を産む。鶏は、そうした形質を受け継いでいます」
ケージ飼育の継続「難しくなるかも」
ただ鶏は、人の手で家畜とし…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル