28日午前5時35分ごろ、茨城県の鹿島港付近で遊漁船と貨物船が衝突したと通報があった。鹿島海上保安署によると、遊漁船に乗っていた釣り客と乗組員の男性12人が海に転落した後、救助された。うち東京都の釣り客男性(46)が心肺停止の状態で鹿嶋市内の病院に搬送され、その後死亡が確認された。11人が骨折などのけがを負った。
衝突したのは広島市南区の海運業者「アキ・マリン」の貨物船「はやと」(498トン)と遊漁船「第5不動丸」。鹿島港の南埠頭(ふとう)沖約500~600メートル付近で衝突したとみられる。遊漁船は船首を残して水没し、乗組員2人と釣り客10人が海に投げ出された。貨物船には5人の乗組員が乗船していた。同署は事故の原因などを調べている。
ヒラメ釣りのため、別の遊漁船に乗っていた男性(44)によると、出港して30分後の午前5時半過ぎに船長から「船同士が衝突して、人が放り出されたので救助に向かう」とアナウンスがあった。デッキにあがると、事故にあった遊漁船の船首だけが海面に出ているのが見えた。周囲には40ほどの船が集まり、海面をサーチライトで照らしながら救助にあたったという。
現場近くにいた別の漁船の船長の男性(34)は、助けを求める拡声機の声を聞いて、救助に協力した。釣り客とともに船上からロープのついた浮輪を投げ、6人を引き上げた。男性によると、この6人はいずれも救命胴衣を身につけていたという。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル