横山輝
合成麻薬のMDMAを使用したとして麻薬取締法違反の罪に問われた大学生の女性(24)について、東京地裁立川支部は無罪を言い渡した。海瀬弘章裁判官は、現場での簡易検査が陰性にもかかわらず警察署に同行しようとした経緯などをふまえ「任意捜査の限度を超えた」と指摘し、「令状主義の精神を没却する重大な違法捜査」と認めた。判決は9日付。
女性は2月、客として訪れた都内のホストクラブで、警視庁町田署の警察官に暴行したとされる公務執行妨害容疑で逮捕=不起訴=され、麻薬取締法違反の罪で起訴された。
判決は、警察官が女性に「簡易検査で陰性なら帰宅していい」と約束したにもかかわらず、陰性と判明後も署への任意同行を求め続けた行為を「違法」と認定。警察官への暴行は、署への同行を求められるなかで「違法捜査によって直接的に誘発された」と判断した。
逮捕後に実施され陽性とされた尿鑑定については、「重大な違法がある捜査手続きと密接に関連する証拠で、同様の捜査を抑制する見地からも証拠能力を否定すべきだ」と説明した。
同署は「継続中の案件でありコメントを控える」とした。(横山輝)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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