中沢滋人
日本屈指の畑作地帯、北海道十勝地方で、秋まき小麦の収穫が最盛期を迎えている。大型のコンバインが、黄金色の畑を動き回り、刈り取りが終わった畑のあちこちに、麦わらを丸めた「麦稈(ばっかん)ロール」が並ぶ光景が見られる。
音更町の「三浦農場」(三浦尚史代表)は、今年は42ヘクタールで小麦を栽培。例年より数日早めの22日から収穫を始めた。26日は、パン用の「キタノカオリ」11ヘクタールの刈り取り作業の真っ最中だった。
三浦さんによると、今年は雪解けが早く、小麦の開花期の6月上旬も天候に恵まれ実入れが良いという。「今年は大豊作だと思う。ただ、雨に降られると、品質に影響が出るため、時間との勝負です」
農場では資源循環の取り組みを進めている。パン用小麦は帯広市のパン店「満寿屋(ますや)商店」へ出荷し、麦稈ロールはばんえい競馬の厩舎(きゅうしゃ)の敷きワラに活用する。
さらに、厩舎で出た馬ふんと麦わらは、帯広市の「鎌田きのこ」でマッシュルームを育てる「培地」となる。その栽培後の土は三浦農場に戻り、パン用小麦畑で堆肥(たいひ)として使われる。三浦さんは「環境に優しい畑作の理想型を追求していきたい」と話している。(中沢滋人)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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