待ち合わせ場所のファミレスに着くと、駐車場に黒いポルシェがとまっていた。「いい車やなぁ」。そう思って眺めていると、青年が降りてきた。「エルメス」のネックレスを身につけ、手には高級ブランド「フェンディ」のバッグ。人生の「勝ち組」のような青年が、この日の待ち合わせの相手だった。
昨年7月。熊本県の40代男性は、仕事で面識があった知人に「すごい話があるので、一度聞いてください」と頼まれ、赴いた。テーブル席で対面した青年は「知人の息子」で、20代という。タブレットで資料や写真を示しながら、海外事業への「投資」について、1時間ほど説明された。
市場によって一時的に仮想通貨などの価格差が生じることを利用し、安く買った商品を別の市場で高く売り、その「利ざや」を得る。一定額を「投資」すれば、毎月「配当」が入り、友人や知人を勧誘すれば紹介料も得られるのだという。
直感的に思った。「いい話すぎる。本当にそんなことがあるのか。怪しい」
青年の説明を聞くうちに、男性は「怪しい話なら、そんなに大々的なことはできないだろう」という気持ちがわいてきたといいます。電話やLINEで友人を誘い、少なくとも6人が「投資」しました。
そんな心の中を見透かすよう…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル