黒川弘務・東京高検検事長=辞職=の賭けマージャン問題を報じた「週刊文春」(5月28日号)の記事について、法務省が22日に発表した調査結果の全文は次の通り。(肩書は調査時)
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1 本件記事の概要等
本件記事は、黒川検事長について、概要
①黒川検事長は、緊急事態宣言下の5月1日ごろ、東京都内の産経新聞に所属する記者A方において、同人、同じく産経新聞に所属する記者B及び朝日新聞に所属する記者Cとともに、賭けマージャンを行っていた。
②黒川検事長は、同日の賭けマージャン終了後、記者の手配したハイヤーに同乗して、記者A方から帰宅する便宜を図ってもらっていた。
③黒川検事長は、同月13日ごろにも、記者A方において、同人及び記者Bと賭けマージャンをし、記者Bの手配したハイヤーで帰宅した。
などと報じている。
2 調査結果
(1)各記事に共通する事実関係等
ア 緊急事態宣言について
本件記事の対象となっている期間は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、政府により、新型インフルエンザ等特別措置法に基づく緊急事態宣言が行われ、外出自粛等の取り組みへの協力が広く呼びかけられていた期間であった。
法務省においても、新型コロナウイルス感染症対策基本的対処方針が発出され、いわゆる三密を避けるべきものとされていた。
イ 各記者との関係
本件記事に記載されている記者A、記者B及び記者Cは、黒川検事長を取材対象として担当するなどしていた者であり、黒川検事長と旧知の間柄であった。
(2)個別記事に関する事実関係等
ア 記事①「緊急事態宣言下の5月1日ごろ、記者A方で、同人、記者B及び記者Cとともに、賭けマージャンを行っていた」について
(調査結果)
黒川検事長が、緊急事態宣言下の5月1日ごろの勤務時間外に、東京都内の記者A方において、同人、記者B及び記者Cとともに、飲酒したほか、金銭を賭けてマージャンを行っていた事実が認められた。
このマージャンは、いわゆる点ピン(1000点を100円換算とするもの)と呼ばれるレートで行われていたものであり、参加した者の間で、1万円から2万円程度の現金のやり取りがなされていた。
イ 記事②「黒川検事長は、5月1日ごろの賭けマージャン終了後、記者の手配したハイヤーに同乗して、記者A方から帰宅する便宜を図ってもらっていた」について
(調査結果)
黒川検事長が、5月1日ごろに、記者A方でマージャンを行った後、記者Bの手配したハイヤーに同乗して帰宅した事実及び当該ハイヤーの料金を支払っていない事実が認められた。
なお、この点については、検事長の立場にある者として軽率な行為であるとのそしりを免れないものの、黒川検事長個人のために手配されたハイヤーを利用したものではなく、記者Bが帰宅するハイヤーに同乗したものであったと認められる。
ウ 記事③「黒川検事長は、5月13日ごろにも、記者A方において、同人及び記者Bと賭けマージャンを行い、記者Bの手配したハイヤーで帰宅した」について
(調査結果)
黒川検事長が、緊急事態宣言下の5月13日ごろの勤務時間外に、記者A方において、同人、記者Bらと金銭を賭けてマージャンを行っていた事実が認められた。
この日もいわゆる点ピンと呼ばれるレートで行われており、参加した者の間で、1万円から2万円程度の現金のやり取りがなされていた。
また、記者A方でマージャンを行った後、記者Bの手配したハイヤーに同乗して帰宅した事実及び当該ハイヤーの料金を支払っていない事実が認められたが、黒川検事長個人のために手配されたハイヤーを利用したものではなく、記者Bが帰宅するハイヤーに同乗したものであったと認められる。
エ その他の事実
黒川検事長に関して、前記各事実以外の機会における金銭を賭けたマージャンやハイヤーの送迎の事実についても、調査を行った。
黒川検事長が、記者A、記者B及び記者Cとともに、約3年前から、月1、2回程度、前記各事実同様のレートで金銭を賭けたマージャンを行っていたことや、記者が帰宅するハイヤーに同乗したことが認められるが、その具体的な日付を特定しての事実の認定には至らなかった。
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法務省の調査結果は賭けマージャンを行っていた朝日新聞の社員を「記者C」としていますが、この社員は、2017年に編集部門を離れており、以降は記者ではありません。この点について朝日新聞社広報部から法務省に伝えました。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル