賭けマージャン問題で辞職した東京高検の黒川弘務・前検事長(63)の後任に26日付で就いた林真琴氏(62)が27日、東京・霞が関の検察庁舎で就任会見を開いた。法務・検察内では、林氏が今夏にも検察トップの検事総長に昇格するとの見方が強い。黒川氏の定年延長問題や不祥事で揺れた検察。新体制のもと、早期の混乱収束を望む声が高まっている。
「今回の件で損なわれた国民の信頼を取り戻すのが新検事長の責務だ」
林氏は約30分の会見で「国民の信頼」という言葉を約20回も使い、検察にとって国民の信頼が不可欠であることを強調。黒川氏の不祥事を謝罪した上で、信頼回復への意欲を示した。
一方、黒川氏の定年延長を認めた閣議決定や、政府の判断で幹部の定年を延長できる規定を盛り込んだ検察庁法改正案には「所感を述べる立場にない」と回答。一連の問題で注目が集まった政治と検察の距離感については「一定の距離を保って職務を遂行すべきだ。近くなるとおもねるからではなく、公正らしさを疑われるからだ」と語った。
会見では、「桜を見る会」や黒川氏の賭けマージャンをめぐり、市民から告発が出た事件を立件すべきではないか、との質問も記者から出た。林氏は「個別事案は答えられない」とした上で、「全ての事件が国民から注視されているので、適切に対処していくことに尽きる」と述べた。
また、検察官として心がけていることとして「法解釈についてはさまざまな幅がある。その幅の一番右端、左端の両方を認識した上で、最終判断する思考過程を取りたい」と述べた。黒川氏の問題で指摘されている検察官と記者の関係についても問われ、「広く国民の意見に目を向ける必要もあり、記者との一定の関係は全く絶つべきだとは考えていない。ただ、検察官も癒着と見られる危険性を認識して、関係を保つ必要がある」と述べた。次期総長候補との声については「答える立場にない」とかわした。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル