人知れず進行している異変が、小さなできごとによって表に現れてくることがある。水俣病は、ある漁村の住民がネズミの急増に困って市役所に駆除を申し込んだ、と地元紙に報じられたのが世に知られるきっかけになった。
漁村にいたネコが原因の分からぬまま相次いで死に、はびこるネズミの被害に手を焼いて陳情に至ったのだった。あとになって振り返れば、ネコは、死をもって危急を告げる炭坑のカナリアのような存在だったかと思われてならない。
ひるがえってこちらは、地球規模の危機を知らせるカナリアかもしれない。
オーストラリア北部沖の小島に生息していたネズミの固有種が絶滅したと、同国政府が2月に発表した。…… 本文:1,626文字 この記事の続きをお読みいただくには、朝日新聞デジタルselect on Yahoo!ニュースの購入が必要です。
朝日新聞社
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