大阪観光大(大阪府熊取町)などを運営する学校法人明浄(めいじょう)学院で多額の資金が所在不明になっている事件で、大学の運営資金から暗号資産(仮想通貨)に投資されたとされる1億円の出金などについて、元理事長の女性が周囲に「口外を一切しないように」などと指示していたことが29日、関係者への取材で分かった。法人によると、1億円の振り込みは事前に理事会に諮られていない。
大阪地検特捜部もこうした経緯を把握しており、不可解な資金の流れを解明し、立件の可否を検討する。特捜部は29日午後、法人が運営する明浄学院高(大阪市)なども家宅捜索した。
関係者によると1億円は昨年4月20日、法人から元理事長の女性が役員を務める関連会社(熊取町)に振り込まれた。同日、同社担当者が金融機関で全額を出金し、その場で法人の別の男性理事に手渡した。その後、暗号資産に投資されたとみられる。
一連の金の流れについて、元理事長は同社担当者らに「口外一切なしでお願いします」などとメールで指示。1億円の扱いは事前に理事会で諮られておらず、元理事長らが秘密裏に資金を流用した可能性がある。
現金を受け取った男性理事は、今年10月9日付で法人に始末書を提出。資金の私的流用を否定した上で「学校の運転資金から捻出されたとは思っていなかった。元理事長の指示に深く考えずに従ってしまった」などと釈明した。法人は男性理事を停職処分としている。
法人をめぐっては、明浄学院高の土地売却で手付金として受け取った21億円も所在不明となっている。大阪地検特捜部は29日、業務上横領容疑で法人や高校のほか、21億円を預かったとされる不動産会社「サン企画」(吹田市)などの関係先を家宅捜索した。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース