毎年100万人以上が亡くなる多死社会の日本。火葬後の遺灰に含まれる金歯や銀歯といった貴金属の取り扱いをめぐり、自治体で対応が分かれている。火葬場で遺族が収骨した後、残った「残骨灰」の処理をどうするか。死者の尊厳に関わるだけに、自治体にとって悩ましい課題だ。
人口34万人の大津市。毎年3千人近くが亡くなっている。市などによると、火葬後の収骨方法は地域によって違う。東日本は大半を骨つぼに入れ、西日本は「のど仏」など一部の骨のみを納める場合が多く、多量の遺灰(残骨灰)が出るという。
大津市は1980年、天台寺門宗の総本山・園城寺(おんじょうじ)(三井寺(みいでら))の境内にある市有地に「霊灰塔」を建設し、灰の保管場所にしてきた。しかし、2年前に満杯に。市内の二つの斎場の保管庫などに置いてきたが、収納スペースもなくなった。このため、市は昨年から灰の体積を小さくする減容化処理を検討してきた。
処理は業者に委託し、保管庫の…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル