安倍晋三首相は平成24年12月の第2次内閣発足以降、2回の衆院解散・総選挙と5回の内閣改造で新しい内閣を組織してきた。政権が置かれたその時々の状況から、首相自身が名称を付けてきたが、11日の改造で発足する新内閣はどう名付けられるのか。内閣の顔ぶれとともに注目されるポイントの一つだ。
旧民主党から政権を奪還して発足した第2次安倍内閣は「危機突破内閣」だった。最大の課題は長引くデフレからの脱却。首相は「強い経済を取り戻す」と訴え、「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」を「三本の矢」とする経済政策「アベノミクス」を打ち出した。
続く第2次改造内閣は、「地方創生」を最重要政策に掲げ、首相は「実行実現内閣」と命名。自民党幹事長だった石破茂氏を担当相に就けた。衆院解散・総選挙後の第3次内閣もこの名称を引き継いだ。
「未来へ挑戦する内閣」と名付けた第3次改造内閣は、「50年後も人口1億人を維持し、だれもがもう一歩前へ踏み出せる社会をつくる」として、「1億総活躍社会の実現」を打ち出した。官房副長官を務め信頼を寄せる加藤勝信氏を担当相に起用したが、野党からは「(1億総活躍は)意味不明」「期待できない」と冷ややかな声も上がった。
南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報問題や森友・加計学園問題で追及を受けた後に発足した第3次再々改造内閣は「結果本位の仕事人内閣」と銘打った。現在の第4次改造内閣は、少子高齢化問題を「国難」と位置づけ、検事出身で衆院当選3回の山下貴司氏を法相に抜擢(ばってき)。外国人労働者の受け入れ拡大に向け、在留資格を創設する改正出入国管理法を成立させた。(力武崇樹)
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