岩手県矢巾町の自宅で出産したばかりの男児を屋外に投げ捨てて殺害したとして県警は10日、無職の少女(19)を殺人容疑で逮捕し、発表した。投げ捨てたことは認めているが、殺意を否認しているという。
少年課によると、少女は5月1日午前7時半ごろ、自宅1階のトイレで男児を出産し、トイレの窓から外に投げ捨てて殺害した疑いがある。トイレで下半身から出血している少女を家族が発見し119番通報。数時間後、土の上で横たわる裸の男児が心肺停止状態で見つかった。へその緒と胎盤が付いた状態で、頭部には外傷があったという。
少女に夫がいたかどうかについては、県警は「少女の特定につながる」として明らかにしていない。
町は状況把握できず
矢巾町福祉・子ども課によると、少女から妊娠の届け出はなく、母子手帳は発行していなかった。このため、町は少女の状況を把握していなかったという。
児童福祉法では未成年▽生活が困窮している▽のぞまない妊娠をした――などの妊婦について「特定妊婦」として支援をするよう定めている。
矢巾町でも、妊娠を届け出た妊婦とは必ず面談をする。「要支援」と判断した妊婦については、子育て支援センターと連携して経済支援を提案したり、病院を紹介したりと相談に乗る体制を取っている。
町の担当者は「妊娠や出産について困っていたらまずは行政に相談してほしい」と話す。(中山直樹)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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