ネットカフェや漫画喫茶などに対し休業を要請した神奈川県は、それらを生活の拠点としていた人たちを対象に県立の武道館(横浜市港北区)を開放している。
剣道や柔道などをする道場で、仮設ベッド(77センチメートル×190センチメートル)と毛布3枚が支給される。各ブースは新型コロナウイルスの感染対策で、約3メートル間隔で設置され、利用者は高さ2メートルのカーテンでプライバシーを守られる。
11日に開設され、県担当者によると40人以上が利用している。東京、神奈川など首都圏から来た人がほとんどだという。
建築業の男性(30)は13日朝、同県藤沢市の滞在していたカプセルホテルから休業すると告げられた。ネットでこの施設を知り、今の仕事場が横浜だったため、施設を訪れた。週5日働いていたが、現在は週2日だという。今はお金の心配は無いが「先行きが不透明のため、節約できるのはありがたい」という。「県は本当によくやってくれている」と男性。「休業要請ではなく命令なら、仕事もなくなるので実家の北海道に帰れるのに」と話した。
15日、施設を訪れた男性(52)は横浜・関内から2時間以上かけて歩いてきた。3月に入って仕事がなくなり、仕事を探していた矢先の休業要請となった。知り合いからこの施設を聞いたという。先行きが見えない中で、お金の心配もあり「非常にありがたい場所」と話す。「住み込みの仕事を探している。1日でも早くここを出られるよう仕事を見つけたい」と話した。(杉本康弘)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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