二つの企業に雇われていたトラックドライバーの男性が死亡したのは長時間労働が原因だったとして、川口労働基準監督署(埼玉県)が7月5日付で労災を認定した。遺族側の弁護士が26日、記者会見で明らかにした。労災認定では副業など複数社の労働時間は原則として合計されないが、この男性の場合、実態は片方の会社だけに雇われていたという。
弁護士によると、男性は埼玉県三郷市の武田正臣さん(当時52)。1991年に物流会社ライフサポート・エガワ(東京都足立区、以下エガワ社)に入社。貨物の配送や積み下ろしを担当していた。2018年4月、配送先の倉庫内で意識不明で倒れているのが見つかり、致死性不整脈で亡くなった。
エガワ社は15年、別の会社を設立。配送をエガワ社、積み下ろしを別会社に分担し、武田さんを2社で雇う形にしていた。労働時間や仕事の指示は全てエガワ社が管理していたという。
川口労基署が認定した残業時間は亡くなる直前の1カ月間で約134時間だったといい、「過労死ライン」とされる月100時間を超えていた。川人博弁護士は会見で「実質は一つの雇用を二つに分けて労災責任を免れる危険性があった」と指摘した。
エガワ社は取材に対し、「労災の認定を真摯(しんし)に受け止め、長時間労働の再発防止に努める」としたが、業務を2社に分けたことなどについては「コメントを控える」とした。
厚生労働省によると、副業や兼…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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