県東部を襲った3日夜の激しい雷雨で、県は一夜明けた4日、県内の被害状況をまとめた。床上浸水18棟、床下浸水11棟、道路被害16件で、いずれも横浜市南部で起きた。横浜市と鎌倉市で計10件の崖崩れが確認されたほか、落雷などが原因で横浜市旭、泉、金沢、保土ケ谷、港北区の計約7200世帯で停電も発生した。けが人はなかった。
横浜地方気象台によると、寒気の残る上空に湿った空気が入り込み大気が不安定になったことで、雷雨に見舞われた。横浜市が市内の各消防署に設置している雨量計では、3日午後8時までの1時間に磯子で69・5ミリ、港南で59・5ミリの雨を観測。金沢では同9時までの1時間に76・5ミリを記録した。市は9区の約2300世帯に避難勧告を発令し、4日午前0時20分に解除した。
県や横浜市によると、同市港南区では、マンション1階が床上約40センチまで浸水し、周辺の住宅や店舗も被害を受けた。横浜横須賀道路日野インターチェンジ(IC)付近の県道では車両約30台が水没するなどし、同ICが一時通行止めとなった。近くの道路脇フェンスには、約1メートルの高さまで冠水した痕跡があるという。
同市金沢区でも被害が多発し、床上約45センチまで漬かった住宅もあった。市営住宅では1階15世帯が床上約2センチまで浸水し、地下駐車場に停車していた乗用車が水没した。床上約10センチまで浸水した富岡地域ケアプラザは当面の休館を決め、6日の一部再開を目指して復旧作業を進めている。
同区六浦町の池子隧道付近では道路脇の崖が崩れて車1台が巻き込まれたが、運転していた30代の男性会社員にけがはなかった。このほか、磯子、金沢、南、港南の各区では道路の隆起や陥没が相次いだ。
下水道を管理する市管路保全課によると、市内の下水管が対応可能な降雨は、1時間当たり50~60ミリ。短時間に一気に雨水が下水道に流れ込み、道路や住宅街にあふれ出たとみられる。担当者は「能力以上の雨が降れば、どこでも同様の事態が起こり得る」としている。
神奈川新聞社
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