300万年前の地球のアーカイブス、乱れのない風と融合

 300万年前の地層と、再生可能エネルギーとして普及する風力発電。時を超えて両者を一つの画(え)で引き合わせたのは、風だった。

拡大する高さ約40~50メートルの断崖絶壁が続く屛風ケ浦。「乱れのない風」を求め、建てられた風力発電の風車が遠くに見える=千葉県銚子市、ドローンで内田光撮影

 千葉県銚子市一帯は、とにかく風が強い。銚子地方気象台によると、年間の平均風速は5・7メートル。10メートル以上の風が吹く日は年平均143日ある。

拡大する高さ約40~50メートルの断崖絶壁が続く屛風ケ浦。崖の上には風力発電機が並ぶ=千葉県銚子市、内田光撮影

 銚子生まれで元岐阜地方気象台長の宮内秀さん(73)が言う。「銚子は三方が海で陸地の下総(しもうさ)台地が平坦(へいたん)。乱れのない風が吹くんです」。風が強ければ海は荒れる。地元のキンメダイ漁師が昨年出漁できた日数は121日。しけで海に出られない日が多いのだ。

拡大する遊歩道から見える地層=千葉県銚子市、内田光撮影

 荒波に削られてできたのが、国の天然記念物で名勝の屛風ケ浦(びょうぶがうら)。ドーバー海峡に面した英国の白亜の崖になぞらえ「東洋のドーバー」とも呼ばれる。

拡大する高さ約40~50メートルの断崖絶壁が続く屛風ケ浦=千葉県銚子市、ドローンで内田光撮影

 「ここは『地球のアーカイブ』なんです」。銚子市文化財・ジオパーク室主任学芸員の岩本直哉さん(43)がうれしそうに言う。理学博士でもある岩本さんは7年前、愛媛県の博物館から転じて銚子市の職員になった。

拡大する銚子マリーナの駐車場わきにある、遊歩道の入り口を示す看板=千葉県銚子市、内田光撮影

記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員限定のプレゼントもあります。

拡大する高さ約40~50メートルの断崖絶壁が続く屛風ケ浦=千葉県銚子市、ドローンで内田光撮影

 荒波があらわにした地層は、約…

月980円で有料会員限定記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment