熊本県水俣市で5月1日に予定されていた水俣病犠牲者慰霊式について、患者・被害者団体などでつくる実行委員会と水俣市は23日、中止すると発表した。規模を縮小して開催する方針だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2年連続の中止を決めた。
2月の実行委会合では、感染防止対策を徹底した上での開催を決定。だが4月に入って県内でも感染拡大が続き、県が23日、独自の警戒基準を最上位のレベル5(厳戒警報)に引き上げたため、中止を決めた。慰霊式は実行委と市の共催。例年は水俣病が公式確認された5月1日に営まれてきた。
自身も水俣病患者の緒方正実・実行委員長は取材に「残念だがやむを得ない。二度と過ちを繰り返さないと言い続けている私たちが慰霊式を行い、感染者を出せば過ちを自ら繰り返すことになる」と述べた。
慰霊式とは別に、患者団体の水俣病互助会が毎年主催する慰霊祭は、1日に市内で営まれる予定。(奥正光)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル