新型コロナウイルスの影響で外国人技能実習生が来日できず、深刻な人手不足に悩んでいた野菜産地が人材確保の取り組みを進めている。観光業などとのマッチングが奏功し、野菜産地の長野県や群馬県によると「おおむね人材は確保できた」とする。短期的にめどは付いたものの、中長期的には人手不足を懸念する産地が多く、抜本的な解決には至っていない。 農水省によると、5月20日時点で、農業分野で来日できない外国人技能実習生は、各都道府県が把握できる範囲で2500人。主に1年未満の実習生を受け入れてきた農家や監理団体、JAなどが、人手不足の懸念から人材確保を急ピッチで進めていた。 監理団体などへの聞き取りで、800人の技能実習生が入国の見通しが立っていなかった長野県は、コロナ禍で仕事が減った他産業の日本人労働者らのマッチングが進み、「現時点ではおおむね充足されている」と説明する。 中国などからの技能実習生の入国が難航し、春の農作業に間に合わない心配があったが、ハローワークとの連携や地域ぐるみの口コミなど多方面で調整が進んだ。レタス産地の川上村や、キャベツ産地の群馬県嬬恋村も出荷量を落とさずに、創意工夫などで産地を守っている。 北海道では、JA北海道中央会が3月末時点でまとめた調査によると、道内でJAが監理団体または実習実施者として受け入れている外国人技能実習生約180人の出入国に影響が出ていた。 来日できない実習生の6割が上川地区で、農産物の定植やアスパラガスの収穫作業などに影響が及ぶとみられていた。同地区のJA道北なよろ管内では27戸で実習生51人が来日できなかったが、JA職員や道、市職員らの懸命な援農などで補い、「深刻な人手不足は何とか免れている」(同JA)という。
来年への不安なお
農水省は、人材雇用などの費用の一部を補助する支援策を用意している。法務省は、受け入れ先で実習継続が困難になった外国人技能実習生を国内で雇用継続できる特例措置を設ける。こうした措置で、地域ぐるみでのマッチングや人手不足の解消対策が現場で広がった。 ただ各産地からは「今年は確保できたが、来年度以降に懸念がある」「今働いている人がいつまでいてくれるかが不透明」と中長期的な人員確保を不安視する声もある。 法務省は出国が困難になった実習生の在留期間を延ばすことも認めた。技能実習生を多く受け入れる茨城県や宮崎県などは「2年以上の実習生が大半で、今いる実習生が活動し続けることができ、影響は限定的だった」と説明する。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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