20カ国・地域(G20)首脳会議が29日閉幕し、参加した首脳らは30日までにほとんどが関西国際空港から帰途に就いた。関空ではG20期間中、ターミナルの出入り口を規制するなど厳戒態勢がとられたが、一般の旅客便に大きな混乱はなく、関係者は胸をなでおろしている。ただ利用客が不便を強いられる場面もあり、2025年大阪・関西万博などの国際イベントを控える中で課題も残した。
「大阪は快適でいい街だった。食事ではイスラム教徒にも配慮してくれた。たこ焼きやラーメンがおいしかったよ」
関空で30日、G20に参加したインドネシアの政府関係者の男性(40)が帰国を前にそう語った。
免税店「KIX DUTY FREE」を運営する関西エアポートリテールサービスの前倉義人・統括グループリーダー(48)は「また大阪、関西に行きたいと思ってもらえるよう、品ぞろえ、接客力に磨きをかけたい」と話した。
関空を運営する関西エアポートは、テロ対策で政府や警察などと綿密に調整してG20に臨んだ。
JRと南海の関西空港駅ではスタッフが、日本語や英語、中国語、ハングルによる「出発」の文字と、進む方向を示す矢印を大きく記した掲示板を掲げ、遠回りしてターミナルに向かうよう誘導。駅の改札前が混雑したが、利用客は比較的スムーズに誘導に従っていた。
各国の特別機は一般の定期便ダイヤの隙間を縫うようにして離着陸し、関空で事前に懸念された大きな遅延や欠航は発生しなかった。関西エアの関係者は「航空会社などと直前まで打ち合わせ、情報共有ができた」と振り返った。
一方、リムジンバスが大幅に運休し、27~30日の4日間で通常の5%の便しか動かなかった。バス乗り場では外国人の家族連れが係員から「駅に回って」と告げられ、大きなスーツケースを抱えて駅への階段を上る場面が繰り返された。
国際線到着フロアの窓口「関西ツーリストインフォメーションセンター」にも「どうしたらいい」と駆け込む外国人が相次いだ。野村ゆき子所長は「アジアの旅行客の多くがびっしり日程を組んでいるので影響は大きかった」と話した。
関西エアや警察はインターネットやチラシの配布などで事前に規制内容の周知に努めてきたが、限界があったようだ。同社は「今後、さらにスムーズにお迎えできるよう検証したい」としている。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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