22日から始まる政府の観光支援策「Go To トラベル」事業。開始直前に東京都を目的地とする旅行や都民による旅行が対象外となるなどの方針転換があったほか、手続きのあいまいさや煩雑さのため、旅行関連業界の現場は、手探りの対応を迫られている。 「現場でお客さまと接しているスタッフは、奥歯にものが挟まった言い方で案内するしかない」。トラベル事業について大手旅行代理店の担当者は20日、こう打ち明けた。事業者の登録手続きは始まっておらず、登録事業者になっていない段階で割引が受けられると明確には案内できないためだという。店内にはキャンペーンを知らせる案内板なども掲示していない。 政府はキャンペーンを見越して予約した人に対するキャンセル料の補償を検討しているが「補償があったとしても、手続きの詳細などが分からない。政府の方針が二転三転すると現場は困る」と訴える。 阪急交通社も新聞広告などでのキャンペーンの打ち出しを一時、取りやめた。「割引の適用や価格表示など不明な点がある。商品説明に誤りがあると顧客を混乱させてしまう」だという。 ホテル業界でも懸念が広がる。星野リゾートの星野佳路代表は「長期的に下支えするような支援策にしてほしい」と話す。今後、東京以外で感染が再拡大した場合、その地域もキャンペーン対象から外す可能性があり「再び混乱が起きかねない」と警鐘を鳴らす。 一方、事業開始を前に、航空各社は利用者の増加も見込み、国内線の運休や減便の縮小を相次いで発表している。 日本航空は8月の国内線の運航便数について、新型コロナウイルスの感染拡大前のグループ計画比で91%まで回復させる方針だ。全日本空輸も同様に、運休していた国内線のうち22路線の運航を再開する予定で、8月の運航は88%まで戻る見通しとなった。航空大手の広報担当者は、最近の感染再拡大で需要は不透明としつつ「トラベル事業を活用したい思いはある。商品開発などを進めたい」と話す。 また、JR東海も7月から東海道新幹線の運行本数を例年並みに戻し、8月のお盆期間などは「のぞみ」を1時間12本運行するダイヤを初めて実施する。だが、「(トラベル事業とは)関係なく、現時点で緩やかにお客さまが増えてきていることが計画の根拠だ」(広報)と距離を置く。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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