このほど発表された大手検索サイト「グーグル」の今年の検索ランキング。メインの「急上昇ランキング」(昨年と比較して群馬5位検索数が大幅に増えたワード)は「台風19号」がトップとなったが、同時に公表された「都道府県別ランキング」は、各地の特色が表れた結果となった。スポーツ報知が注目したのは群馬県5位の「群馬電機」。取材を進めると、多くの人が耳にしているであろう「あのBGM」が聞こえてきた。
「群馬電機」は、群馬県東部・みどり市にある従業員130人の産業機器の製作会社。一見しただけでは検索ランキング5位になるほどの「興味を持たれる理由」は思い浮かばないが、その答えは“隠れたヒット商品”にあった。
同社が2000年に発売し、現在までに4万台以上を売り上げたという「呼び込み君」。商品名を聞いてもピンと来ないが、「♪ポポーポ、ポポポ」というBGMを聴けば、「アレか!」と思い浮かべる人は多いはず。ディスカウントストア「ドン・キホーテ」など全国のスーパーや量販店で繰り返し流れ一度聴いたら耳から離れないメロディーで購入意欲を湧かせるという“秘密兵器”だ。スポーツ報知東京本社隣のスーパーの焼き芋コーナーでも景気よく鳴り響いている。
爆発的に注目度が上がったのは6月。フジテレビ系「林修のニッポンドリル」で30分ほどの特集が放送されると、問い合わせや注文が一気に増えた。数年前からネットメディアなどで紹介され、ここ5年ほどは売り上げアップしていたが、番組の効果で「品切れまではいかないものの、現在も受注がひっきりなしに届いています」(同社担当者)という。
同社は「呼び込み君」開発に当たり、地元のCM曲などを制作している会社に曲ごとのコンセプトを伝え数曲を発注。その中で「子供が喜びそうな曲」と依頼した「ポポーポ、ポポポ」ともう1曲が内蔵された。依頼先の会社がつぶれたため作曲者は不明。特に曲名はなく、社員は「呼び込み君の曲」と呼んでいる。「街中で聴くと、ついつい『呼び込み君』がどこにあるか探してしまうのですが、95%が『ポポーポ、ポポポ』。もう1曲の方だと、思いがけずうれしくなりますね(笑い)」(同担当者)。
5位にランクインしたことについて「一般の皆さんが直接買うことは少ないかと思いますが、多くの人に注目されるのは波及につながると思いますし、ありがたいこと」としているが、個人購入も可能で、文字パネル付きは3万2780円、なしは2万3980円(いずれも税込み)。ヤマハ「mysound」など一部の音楽配信サイトでも1曲110円(税込み)で購入できる。
◆香川5位も謎まさかの「キアヌリーブス」
香川県の5位にランクインしたのは、まさかの「キアヌリーブス」。県民が超有名ハリウッドスターの名を入力せずにいられなかったのは9月のことだった。
主演映画「ジョン・ウィック:パラベラム」のPRで来日していたキアヌは、同県の豊島(てしま)美術館をプライベートで訪問。偶然居合わせ、2ショットを撮ってもらった男性がインスタグラムに写真をアップしたところ「キアヌが香川に来た!」と猛“スピード”で話題をさらった。
同美術館は瀬戸内海の豊島にある現代美術館で、世界的建築家の西沢立衛さんが水滴をモチーフに設計。国内のみならず海外の建築・美術ファンも注目する名所だけに、キアヌも思わず足を運んだとみられる。
香川県観光振興課の増田祐子さんは「本県は『うどん県』のみならず、豊島美術館など多くのアートスポットを持つ『アート県』でもあることを、キアヌさんが世界にアピールしていただいたので、とてもありがたいです」と感謝していた。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース