女性の車に衛星利用測位システム(GPS)を取り付けて居場所を知った行為が、ストーカー規制法の禁じる「見張り」に当たるかどうかが争われた2件の刑事事件で、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は30日、見張りについて「機器などを用いても家の付近など一定の場所で動静観察を要するのが相当」とし、GPSで居場所を把握するだけでは該当しないとの初判断を示した。その上で見張りと認めなかった2審福岡高裁判決をいずれも支持し、検察側の上告を棄却した。 1件目の被告は、当時の妻の車にGPSを取り付けたとして同法違反罪などで起訴。1審福岡地裁はGPSによる位置情報の把握を含め同罪が成立するとして懲役1年としたが、2審福岡高裁は見張りを「視覚など感覚器官を用いた行為」と限定的に判断。実際に近くで妻を注視した行為のみの成立を認め、懲役8月とした。 もう1件の被告は、元交際相手の女性の車にGPSを取り付け、長期にわたり位置情報を把握し続けたとして起訴され、1審佐賀地裁が有罪と判断。しかし2審福岡高裁は位置情報の把握を見張りと認めず、1審判決を破棄した。ただGPSを取り付ける際に女性がいないかを確認する行為などが見張りと解釈する余地があるとして、審理を地裁に差し戻した。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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