昨年7月の西日本豪雨で被災し、不通が続いていたJR芸備線の三次(広島県三次市)―狩留家(かるが)(広島市安佐北区)間(48・2キロ)が23日、約1年3カ月ぶりに運転を再開した。これで、JR西日本の被災路線すべてが復旧した。
広島市安佐北区にある第1三篠川橋梁(きょうりょう)では、地元消防団が放水してアーチを描いた。この鉄橋の橋脚と橋桁の一部が増水で流失し、再建のため長期間の運休を余儀なくされていた。
少子高齢化により、被災前から山あいを走る芸備線の利用状況は厳しかった。2018年度の1日1キロあたりの平均利用者数(輸送密度)は、1987年度から半減した。ただ、沿線には中学校や高校が点在する。広島市内への通勤・通学や通院のための利用者にとっても大切な存在だ。
JR西は強度を高めた鉄橋を架け直し、災害への備えを強めた。
今回の台風19号の被災地でも、鉄道への被害が相次いでいる。JR西広島支社の北野真支社長は広島駅であった式典で「運転再開は沿線のみなさまのご協力のたまもの。(今後も)協力していきたい」と話した。(高橋俊成、西晃奈)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル