N国・立花党首が“過激路線”を封印宣言 いったい何が…(産経新聞)

 NHKから国民を守る党の立花孝志党首が、“過激路線”を封印すると表明した。7月の参院選で「NHKをぶっ壊す」とぶち上げて初当選したが、10月の参院埼玉選挙区補欠選挙に出馬して自動失職。落選後も複数の市長選に挑戦し、いずれも敗れた。今後は「公党代表として腰を落ち着ける」という立花氏だが、いったい何があったのか-。

 「できるだけ過激な路線は控えようと思っている」

 昨年12月17日のN国党の記者会見で、立花氏は、人が変わったような言動で記者を驚かせた。

 立花氏は「これまでスピード感を持って、発信をあえて炎上させるという方法で来たが、これ以上目立つ必要がなくなった」と説明。「来年以降は腰を据えてじっくりやっていく」とも強調した。

 立花氏は昨年7月の参院選で、「NHKをぶっ壊す」を合言葉に、受信料を払った人だけがNHKを視聴できる「スクランブル放送化」を主張。一言も発しない公認候補らによる奇抜な政見放送も話題となり、党は比例代表で98万票を集め、立花氏が当選。政党要件も満たした。

 バッジをつけた立花氏は、より過激な言動で注目を集めた。

 昨年8月には参院議員会館の事務所に設置したテレビをめぐり、NHKと受信契約を結んだ。その上で「契約は立法府が決めた法律だから守る。しかし支払いは少なくとも国会では決めていない」として、受信料の不払いを宣言した。

 タレントのマツコ・デラックスさんがテレビ番組で立花氏を「気持ち悪い」などと批判した際は、テレビ局への抗議の“突撃”を敢行し、ネット配信動画でも「マツコ・デラックスをぶっ壊す」と訴えた。

 昨年10月には、ネット投稿動画で東京都中央区議の男性を脅したとして、警視庁が脅迫容疑で立花氏を書類送検した。関係者によると、立花氏は昨年7月、N国党を金銭トラブルで離党したとされる男性区議に「人生をつぶしにいく」などと発言した動画を公開して脅した疑いが持たれている。

 その後、参院埼玉補選に出馬。参院議員に当選後わずか約3カ月で自動失職する異例の判断で、選挙戦では「参院議員を辞めて参院議員になろうとしている」などと訴えたが、前埼玉県知事の上田清司氏との一騎打ちに敗れた。以降、神奈川県海老名市長選▽奈良市桜井市長選▽東京都小金井市長選に相次いで出馬し、いずれも落選している。

 立花氏は昨年12月17日の会見で、こうした“炎上商法”を振り返り「何の後悔もしていない。マイナスはマイナスとしてプラスにつなげる」と強調。こうした手法は同時に、元大阪府知事の橋下徹氏にならったとも打ち明けた。

 立花氏は、「橋下氏が『大阪市役所ぶっ壊す』と言っていた。政治家がこんなことをしていいのだというのが驚きで、そういう手法をあえて使わせてもらった」とも語った。

 とはいえ、自身は数回の選挙を経て失速を感じているようで、「最近の選挙や市長選の数字をみていると、こんなに早く支持を失うのか」と率直な感想を漏らした。

 N国党の政党要件は最低6年間保証され、政党助成金も支給される。立花氏は、「今は他の公党や別の政治家らそれなりの身分の方とも話す機会が増えている」と語り、「将来的なことを考え、これまでのような過激な活動は控えようとしている」と説明した。

 今後は、次期衆院選を見据えて体制づくりに万全を期すという。衆院選に向けては実業家の堀江貴文さんら有名人の擁立を目指して交渉している。

 過激発言を控えるという立花氏だが、支持を爆発的に集めた原点は変わらないようだ。会見でこう語ることも忘れなかった。

 「衆院選のとき、ある程度パンチの効いた政見放送はせざるを得ない」(政治部 中村智隆)

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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