大型バスがすれ違えない場所もある険しい山道の先に、絶景が広がる。廃れかけた「地域の宝」が、アートの力で脚光を浴びた。
拡大する荒々しい「柱状節理」の岩肌。所々に色づいた木々が生える=新潟県十日町市、諫山卓弥撮影
平日なのに、紅葉を目当てに県外ナンバーの車が長い列を作っていた。約1キロ手前の駐車場から歩いて目指す人たちもいる。谷を渡る空気は冷たい。
清津川が削り取ったV字形の渓谷・清津峡は、六角柱形の岩が規則的に並んだ柱状節理(ちゅうじょうせつり)の景観で知られる。「日本三大峡谷」の一つに数えられてきた。
拡大するトンネル内の見晴所からは、柱状の岩が規則的に並んだ「柱状節理」が見える=新潟県十日町市、諫山卓弥撮影
川沿いの遊歩道が、3カ所の展望台を持つ全長約750メートルのトンネルに変わったのは1996年のこと。度重なる落石や倒木事故を避けるためだったが、新潟県内で最大震度7を記録した中越地震(2004年)や、アクセス道路となる国道の土砂崩れなどに見舞われ、ピーク時に年16万人を超えた観光客の数は約4割にまで落ち込んだ。
再び脚光を浴びたのは一昨年。隣の津南町と十日町市を舞台に3年ごとに開かれる「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」にあわせ、中国人の馬岩松(マヤンソン)氏が中心の建築家グループによって、トンネルはアート作品に生まれ変わった。
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拡大するトンネルの途中にある第三見晴所には、外の風景を反射する鏡が取り付けられている=新潟県十日町市、諫山卓弥撮影
特に人気なのが、トンネル終点…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル