米軍普天間飛行場の移設計画が進む沖縄県名護市辺野古の埋め立てをめぐり、反対が7割超を占めた県民投票から24日で5年。政府は前例のない「代執行」を経て、今年1月から新たな区域での工事に踏み切った。「投票で示された多数の民意は何だったのか」。県民投票に向けた運動の中心だった一橋大大学院生の元山仁士郎(じんしろう)さん(32)=東京都=は危機感を募らせる。
普天間飛行場がある宜野湾市で生まれ育った。政府が強硬姿勢を崩さないなか、旧知の法科大学院教授から「住民投票という方法もある」と聞いた。2018年に「『辺野古』県民投票の会」を立ち上げて代表になり、実施のため署名を集めた。
19年2月24日に行われた投票(投票率52・48%)では、「反対」が43万4273票で72・15%に達した。「賛成」は19・10%、「どちらでもない」は8・75%だった。それでも政府は、翌日も土砂投入を続けた。玉城デニー知事の工事中止の要請に、安倍晋三首相(当時)は「普天間の危険な状況を先送りできない」として応じなかった。「これだけの声があっても『反対は沖縄だけ』と政府は無視できてしまう」と悔しさがこみ上げた。
本土の人たちに自分ごととして考えてもらいたいと、19年に自身が住む東京都国立市で市議会に陳情。移設計画反対の意見書が採択された。この5年間に全国各地で約200回講演した。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル