「0歳10カ月で日本語と英語で会話できる」「小学生で分子や電子、核融合に興味」……。「ギフテッド」と呼ばれる特異な才能がある子どもの支援を検討する文部科学省の有識者会議が1日あり、当事者や保護者らへのアンケート結果が公表された。980件の事例が寄せられ、多様な才能が紹介される一方、学校になじめず不登校になるなどの報告もあった。
アンケートは有識者会議が8~9月に行い、当事者や保護者、教員、支援団体職員ら808人が答えた。
才能では、「小2で中学数学を終了する勢いで、大学レベルにも理解を示す」「3歳で数十曲の歌詞とメロディーを覚えて歌い、小学生で上級レベルの曲をバイオリンで弾く」など、特定分野に秀でた事例が紹介された。また「5歳で地球温暖化を理解し海面上昇におびえる。6歳でイスラエルとパレスチナの対立はなぜかと思い歴史を学んでいる」「宇宙や鉱物などの図鑑を細部まで読み内容を覚えた」など、特定の事柄に強い関心をもつ事例も挙げられた。
才能がある一方で、学校生活で悩みやトラブルを抱える子どもが多いことも分かった。ある当事者は「教科書の内容をすべて理解したが、自分のレベルに合わせた勉強が許されず、叱られ、授業中は暇をもてあました」との声を寄せた。ほかにも「発言すると授業の雰囲気を壊すので分からないふりをしなければならない」「習っていない解法を回答すると×にされることが嫌だった」などが挙げられた。
学校や教育委員会、国に期待する支援については、保護者から「先生にギフテッドの特性を学ぶ時間を取っていただきたい」など、教員の理解を求める意見が多かった。
有識者会議では、委員からは「多くの子どもに困難が見られ、保護者からも支援は痛切に求められている」などと、才能を伸ばす支援だけでなく、学校での困難を解消する方法も考える必要があるとの意見が出た。会議は調査結果をふまえて支援策を検討する。(伊藤和行)
ギフテッドの特異な才能、経験した困難事例(アンケートから)
【特異な才能】…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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