長崎で被爆した女性の体験をもとに、15年前に出版された1冊の絵本がある。題名は「ようすけ君の夢」。女性の長男で、生後5カ月で亡くなった男の子にちなみ、かつて佛教大学(京都市北区)の学生たちが制作した。核の脅威が高まる今、この絵本を再版しようと、女性らが協力を呼びかけている。
「ようすけ君の夢」は、京都に住む小学5年の「ぼく」が主人公だ。
夏休みのある日、「ぼく」はナガサキから来たという「ようすけ君」と出会う。彼は「ぼく」に自分が見た怖い夢のことを話す。ものすごい光と音がして、街が火の海になった、と。
話の内容は後日、学校で聞いた長崎で被爆した女性の体験談とそっくりだった。
その後、「ようすけ君」は姿を消す。「ぼく」は原爆や戦争、そして平和について考え始める――。
この絵本は、京都府城陽市の真柳タケ子さん(79)の体験を元にしたものだ。
真柳さんは1歳半のとき、爆…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル