関門海峡花火大会が予定されていたのと同じ時刻に、打ち上げ予定だった数と同じ1万5千本の線香花火を――。
新型コロナウイルスの影響で中止になった、山口県下関市と北九州市門司区の両岸から打ち上げる8月の「関門海峡花火大会」。毎年100万人近くの人が夜空を見上げる時間を少しでも共有してもらおうと、下関市出身の大学生が線香花火を一斉に楽しむイベントを計画している。開催資金をクラウドファンディング(CF)で募っている。
企画したのは下関市出身で、武蔵野美術大4年生の中村周生さん(22)。これまで毎年欠かさず友人らと出かけてきた。「関門海峡の花火大会はふるさとの誇り。さみしさと同時に、何かできないか、との思いがこみ上げた」と中村さん。
当初は、1発だけでも花火を打ち上げることを検討したが、火薬類取締法など様々な規制があることがわかり断念。代わりに、線香花火を多くの人に楽しんでもらうことを思い付いた。
「海峡線香花火大会」と名付け、1万5千本の線香花火を購入し、8月上旬にかけて中村さんが仲間らと手分けして両岸の路上で配布する。8月13日午後8時、それぞれの自宅などで一斉に火をつける計画だ。
線香花火と封筒代などに必要な資金30万円を、6月からCFで募っている。これまで友人や高校時代の恩師のほか、両岸の整骨院や酒販店などに賛同の輪が広がり、福岡県みやま市の花火製造会社から線香花火を提供してもらえることに。目標額の30万円に届かなくても実現させる予定という。
イベント当日は、線香花火を楽しむ様子を写真や動画で撮影し、ハッシュタグ「#海峡線香花火大会」を付けてSNSに投稿してもらうことも呼びかける。
中村さんは「お盆に多くの人が集まって海峡に思いをはせる。地元にいても、いなくても、世代に関係なく故郷のことを思う日にできたら」と話している。
寄付はCFサイト(https://silkhat.yoshimoto.co.jp/projects/1661
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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