週末には東京方面からの客で行列も
新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛の影響で、飲食店の約8割は売り上げが減少し、テイクアウトやデリバリーを始めたり強化したりした店も多い。しかし、こうした緊急対策も焼け石に水に終わる場合がほとんどだという。ところが、横須賀のある食堂ではコロナ対策で売り出したテイクアウト商品が当たり、店の売り上げが回復した。成功の秘密はどこにあるのか。店主に聞いた。
魚屋食堂「さがみ湾」は三浦半島の京急久里浜駅からバスで約10分、高台の静かな住宅街にある。飲食店としての立地は決してよくはないが、主人の寒河江進午(さがえ・しんご)さんは「地魚バーガーが連日飛ぶように売れて、てんてこ舞いですよ」と、今日も早朝から近くの下浦や三崎漁港をまわって地魚を仕入れる。
店はもともと魚屋で、寒河江さんは2代目。子供のころから魚に囲まれて育ち、おいしい魚を見分ける目利きでもある。といっても、高級魚には目もくれない。
「安くて、脂の乗った、旬の地魚に絞って買い付け、その日に調理しておいしい・安い・ボリュームたっぷりの料理を提供する」のがモットー。地元で愛されているだけではなく、週末には東京などからもわざわざ食べにくるグルメ客で行列ができるほどだ。
まずは12個作って売りだした
ところが、突然のコロナ騒動で客足が鈍り、とくに学校が臨時休校になった3月初めからは目に見えて減少。外出自粛の影響だ。
そこで、従来から実施していた地魚の刺身やフライなどの総菜に、店内の看板メニュー「地魚天丼」などを加えてテイクアウトの強化をはかった。それでもにぎわいは戻らない。
何とか手を打たなければ――。
ゴールデンウイークの声が聞こえはじめた4月下旬、寒河江さんはかねてから売り出すチャンスをうかがっていた、とっておきの商品で勝負に出た。
それは、以前地元のイベントで販売して好評だった「地魚バーガー」だった。パンに手作りの地魚フライを野菜とともにはさむだけ。まず12個作って、1個300円で店頭に並べてみた。
初売りの12個は地元の常連さんが珍しがってたちまち売り切れ。そして、「冷凍ではなく地元の魚なのがうれしい」「明日も買いに来る」というので、翌日も販売。すると、これも売り切れ。
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
Leave a Comment