今月、気象庁のホームページ(HP)でウェブ広告の掲載が始まった。どの中央省庁にもない取り組みだったが、1日もたたずに停止せざるをえなくなった。
「広告枠」「不具合ではございません」。気象庁HPのトップページを開くと、こんな文言が目に飛び込んでくる。15日午後に掲載が始まったウェブ広告のスペースだ。だが、開始からわずか20時間後、HPには「掲載停止について」のお知らせがアップされた。
気象庁はHP運営を年約2・4億円で外部委託している。天気予報や地震、火山の詳細な情報のほか、地域ごとの土砂災害や洪水の危険度が一目でわかる「危険度分布」などのページがあり、閲覧数は年約79億ページビュー。気象庁はその膨大な閲覧数に目をつけた。
来年2月までの広告運用を別の会社に委託。実際の広告収入額に関わらず8700万円を支払ってもらう契約で、それ以上の利益が出れば委託先の収入となる。気象庁は来年度、HP運営費すべてをこの収入でまかなう計画も立てていた。
あっという間の掲載停止は、気象庁の基準で不適切にあたる広告が次々と表示されたためだ。高額な品物が不自然なほど安く販売されているサイトなど、その数は約100サイトにのぼった。表示される広告が閲覧者の検索履歴と連動する「運用型広告」だったため、約500の広告種別のうち、「銃砲刀剣類」や宗教関連など100以上の種別は載らないよう事前に設定していた。だが何らかの原因ですり抜けたとみられる。気象庁は詳しい原因を調べ、再発防止策をとったうえで再開する方針という。
気象庁のウェブ広告をめぐっては、掲載前から様々な懸念と反対の声があがっていた。
関西テレビ(大阪市)の番組で…
2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル