東日本大震災の被災地・宮城県石巻市から広がった、災害時のカーシェアの取り組みは、どのように支えられているのか。
今では約300台もの車を抱えるまでに成長した「日本カーシェアリング協会」。活動が緒に就いた当初、中古車販売大手などからの寄付で徐々に車両が集まると、今度は維持管理のコストが課題になった。
2013年春、協会代表理事の吉沢武彦(44)は石巻市内のカー用品店でエンジンオイルの缶をひっくり返していた。探していたのはメーカーの連絡先だ。
唯一、連絡先を見つけたのが「ルート産業」(千葉県流山市)。国内向けにエンジンオイルを販売する会社だ。電話口の女性社員に「オイルを寄付してほしい」と伝え、協会のウェブサイトを紹介した。
自然災害で被災した人に車を無償で貸し出すカーシェアリングが、東日本大震災の最大の被災地だった宮城県石巻市から広がっています。平時は違う形での活躍も。取り組みが、どのように支えられているかに迫る連載(全2回)の㊦です。
「オイル20缶、無駄になっても会社が傾くわけじゃない」
外出先から戻ってきた伊藤和…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル