中山直樹
福岡県田川市で2018年、重度の低栄養状態だった1歳4カ月の三男に必要な治療を受けさせず死亡させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の常慶(じょうけい)藍被告(27)の控訴審で、福岡高裁(松田俊哉裁判長)は27日、懲役8年とした一審・福岡地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。
高裁判決によると、常慶被告は父親の雅則被告(27)=同罪などで起訴=と共謀し、三男唯雅(ゆいが)ちゃんが18年10月下旬以降、低栄養状態に陥った上で腕や足を骨折し、父親にエアソフトガンで撃たれた傷で肺感染症も発症したのに病院に連れて行かず、同年12月1日に自宅で急性呼吸不全で死亡させた。
弁護側は、常慶被告に軽度の知的障害がある影響で、唯雅ちゃんに保護が必要だと気づかなかったと改めて主張したが、松田裁判長は、他の子どもの発熱時には病院に連れて行った点などから「認知能力が日常生活に支障を来すほど低下していたわけではない」とし、「一審には審理不尽や不合理な点はない」と結論づけた。(中山直樹)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル