新型コロナウイルスの経済対策として国民1人あたり一律10万円を配る特別定額給付金の給付が、大都市を中心に大きく遅れている。全国の給付率は平均で6割超のなか、朝日新聞が20の政令指定市と東京23区を調べたところ、大阪市は3%、千葉市8%、名古屋市9%だった。人口が多い自治体を中心に大量の事務を処理できていない。
給付率の全国平均は総務省が発表しており、今月24日時点で把握した範囲で全国5853万世帯のうち64・7%だった。「競争をあおる」として自治体ごとの給付率は公表していない。朝日新聞は今月25、26日に調査した。各自治体が把握している最新の給付率を聞いたところ、19~26日時点の状況を43の全自治体が答えた。
給付率が1割に満たなかったのは大阪市と千葉市、名古屋市。12%の東京都世田谷区や17%の川崎市など8市区が2割未満だった。100万世帯を超える大都市は給付率が低い傾向にあり、「問い合わせ対応に忙殺された」(大阪市)、「開封作業に時間を要する」(名古屋市)といった声が上がった。
一方、108万世帯を抱える札幌市は92%だった。神戸市78%、福岡市は53%を給付。都市の大きさだけが給付のスピードを左右しているとも言えない状況だった。6市区が8割を超え、給付の進み具合には大きな差がある。
特別定額給付金は国の緊急経済対策で、申請書の発送や受け付けなどの実務は特別区や市町村が担っている。マイナンバーカードを使った「電子申請」か、自治体が発送した申請書を返送する「郵送申請」のいずれかで申し込むことができる。電子申請は各地でトラブルが続出し、申請は郵送に限っている自治体もある。(多鹿ちなみ、森下裕介)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル