公明党の斉藤鉄夫国土交通相=衆院広島3区=が衆院選期間中に開いた個人演説会で、一般社団法人「広島県トラック協会」の関連団体が出席者に現金を渡していた問題で、同選挙区の有権者を含む10人に領収書なしで計約4万円が支払われていたことがわかった。協会側は「投票の依頼はしていない。法律上の問題は一切ない」と話している。
協会の森井茂人専務理事が26日、広島市内で報道陣に明らかにした。協会に関連する任意団体「広ト協政策研究会」が会場のホテル内で日当3500円、交通費660円として計4160円を運送事業者10人にそれぞれ手渡したと説明した。受領者には領収書を求めず、出欠名簿に名前を記入してもらったという。
協会によると、出席者には事前に斉藤氏の事務所作成の案内文書を同研究会から送付し、その際に旅費を支払う旨の文章を余白に手書きで加筆したという。研究会側は演説会の出席者らに何らかの金銭を支払った例は過去になく「(広島では)承知する限り初めて」としている。
演説会は10月22日にJR広島駅近くのホテルであり、県内の企業や業界団体の数百人が出席。斉藤氏は26日の閣議後の会見で「私や私の事務所は一切関与しておらず、関知もしていない」と述べて、改めて自身の関与を否定した。
一方、広島3区内に住む男性(58)が25日付で斉藤氏と関係者に対する公職選挙法違反容疑の告発状を広島県警に郵送した。男性は取材に「事実関係をしっかり捜査してほしい」と話した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル